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サルサの歴史とロス・サルセーロスの目指すサルサ

SALSA(サルサ)とはスペイン語です。手元の辞書を引くと「((料理)) ソース」という解説が一番に出てきます。次に「((音楽)) キューバ起源のラテン音楽」という解説があります。

ここではもちろん音楽、そしてダンスという意味での「サルサ」をもう少し詳しく解説しますが、知るにつれて、なぜこの音楽に「ソース」という意味の言葉を名づけたのか?も解るかも知れません。

1.サルサの誕生まで

辞書の解説にもあるように、サルサの「起源」がキューバにある、というのは間違いではありませんが、もう少し詳しく言うならばサルサの「誕生」はアメリカ・ニューヨークである、といえます。
70年代前半、ヒスパニック系(スペイン語を話す中南米諸国の移民)人々の多く住むニューヨークで演奏されていた最新のラテン音楽が「サルサ」と名付けられました。

その誕生の時を私達は今も見ることが出来ます。ニューヨークの「クラブ・チータ」という所で行われたライブとその当時のヒスパニック系の人々の生活の様子を半ばドキュメンタリーのように撮った「Our Latin Thing」という映像があります。現在は最新のデジタル映像にリメークされ、DVDとして購入することができます。

このように誕生したサルサにはそこに至るまでの長い歴史があります。
私達と同じく、この世に誕生する前から「胎児」として存在していたかのように・・・・。
現在から時間を逆回しにしてたどっていくと約500年ほど前の大航海時代、そしてその直後の黒人奴隷の発生にまでさかのぼります。
アフリカに住む多くの黒人が奴隷としてヨーロッパや南北アメリカにつれてこられました。同時に彼らの文化もそれらの地に及んでいきました。
音楽に関しては、今も深く強く影響を及ぼしているのが打楽器です。

そもそもは生活の基本である食のための狩猟の時、他の集団との争いの時などに合図で使われていた太鼓などの打楽器が様々なリズム・パターンを生み出しました。

さて、南北アメリカ大陸の真ん中にあるカリブ海でも黒人、現地先住民(大半は死滅したと言われていますが・・)、そしてヨーロッパ人など様々な血が混ざり合っていきます。 それと同時に沢山のリズムも生まれていきます。

カリブ海最大の島国であるキューバには現在も沢山のリズムとそれを基にしたダンスが残っています。それらは「アフロ・キューバン」と呼ばれ、皆さんもご存知の「マンボ」や「ルンバ」、「ソン」などのリズムパターンとして進化しています。現在でもラテン音楽やダンスをより深く知るために多くの人がキューバを訪れています。サルサの「起源」がキューバであるというのはこういう理由があるのです。

時間は流れて20世紀初頭、アメリカがキューバを実質的に支配するようになり、アメリカに多くのキューバ文化が進出していきます。葉巻やラム酒そして音楽。
多人数編成のバンド(ビック・バンド)が結成され音楽とダンスが紹介されていきます。
日本にも比較的早くこの流れは届き「南京豆売り」などの音楽が流行ったりしています。
しかし今から約50年ほど前、キューバに革命が起こり以降キューバとアメリカの仲は険悪となりアメリカには多数の亡命者が流れ母国に帰ることなくそこに留まることとなりました。

同時にこの頃からアメリカではその後の文化にとってとても大きな動き(ムーブメント)が起こり始めています。人種差別開放運動=「公民権運動」です。生活レベルでの様々な人種差別(トイレやレストランの席が違うとか)に反発する黒人を先頭とする有色人種が初めた運動です。
この運動は同時に差別される側の有色人種のアイデンティティも強く刺激することになります。

このような流れの中で、アメリカに住むキューバ人や同じカリブ海の島国であるプエルトリコ人などのヒスパニックも自らのアイデンティティを打ち出しその一つが音楽にも現れてきます。 「ロック」や「ジャズ」の原点がアメリカに住む黒人音楽の「ブルース」であると言われているのと同じように、ヒスパニックにとっての「ブルース」(原点)が「マンボ」や「ルンバ」、「ソン」であり、その進化として「サルサ」が誕生したのです。

2.サルサのポイント

「サルサ」が「サルサ」足りえる大きな要素の一つは、ベースにあるリズム・パターン「クラーベ」です。
ライブ(最近日本ではサルサ・ライブが少なくなりましたね、、)やクラブでサルサがかかりラテン人がノッてくると独特の調子の手拍子をたたきますがそれがクラーベといわれるリズムです。また、このリズムをつくる楽器(といっても2本のすりこぎ棒のようですが・・)もクラベス(2本だから複数形)といわれます。このクラーベをベースに様々な楽器が加わりサルサの音楽が出来ていきます。

現在オリジナルのサルサ音楽以外に、ロックやポップのヒット曲から日本の歌謡曲までもサルサ風にアレンジした曲があります。それらの全てがこのクラーベをベースにアレンジしたものです。この「クラーベ」というソース(サルサ)を効かせることであらゆる曲が「サルサ」となります。

3.サルサ誕生以降の音楽とダンス

以上見てきたように、「サルサ」は比較的新しいジャンルの音楽です。そしてそれとともに発生したダンスも同様に新しく現在もなお変化しています。

音楽としては、サルサ誕生時に演奏していた多くのミュージシャンの背景であったジャズの要素が強い感じですが、それが瞬く間に中南米にも広まりそれぞれの国で多くのミュージシャンと混ざり合い様々な風合いの曲が生まれます。
もともとの起源のキューバ(ここでは逆輸入?)、そして南米のコロンビアやベネズエラその他の国々で様々な風合いのサルサが誕生しました。ラテン諸国にとってはとても受け入れやすい音楽であり現地では生活の歌として歌謡曲としてたくさんのヒット曲が生まれています。
80年代は恋愛の歌として「サルサ・ロマンティコ」、90年代はHip-Hopなどのストリート系の要素を取り入れ、そして21世紀に入りさらに新しい要素を取り入れて進化していきます。

ダンスとしては、ペアダンスとして「マンボ」(1拍目を待って2拍目からスタートする)や、男女が同心円で移動しながら、またグループで踊る「ルエダ」などのあるキューバンスタイル。よりダイナミックに踊れるように1拍目からスタートするLAスタイル、ニューヨークon2といわれるLAステップとマンボステップの中間のスタイルなどがありますが、地域によってまた時代とともに独自に発展もしています。最近では、細かく高速なステップのコロンビアスタイルも注目され始めています。

音楽にしてもダンスにしても、それぞれの曲調やスタイルの違いを楽しむことはもちろん出来ます。でもそれ以上に大切なのは、サルサのベースにあるクラーベを感じたり、踊るときにパートナーとの共通の気持ち「楽しみたい」(「楽しみたくない」と思いながら踊る人はいないでしょう?)を感じて表現する気持ちを持つことではないでしょうか。

サルサはこれからも変化して進化する音楽とダンスです。ここまでの流れ(歴史)を意識しつつ、これから「私達自身のサルサを作ることもできる」という可能性があるということがサルサの最大の魅力ではないか、と思います。

4.メレンゲ、バチャータなどサルサ以外のジャンル

サルサの兄弟、あるいは従兄弟のようなジャンルとして「メレンゲ」や「バチャータ」があります。その他「クンビア」や新しいところでは「レゲトン」というジャンルもありますがこれらもサルサ同様様々な要素がそれぞれの場所で交じり合って生まれた音楽であり、ダンスです。

中でも「メレンゲ」と「バチャータ」はサルサと並んでラテン・クラブでよく耳にする音楽です。この2つどちらも発祥は、カリブ海のドミニカ共和国です。地図で見るとキューバの右にあり、キューバに次ぐ大きさの島国です。
音楽としてはギターやアコーディオンなどサルサではあまり強く出てこない楽器が前面に出てきているのが特徴でしょうか?個人的にはそれらの楽器も打楽器のように一音一音がはっきりしているように聞こえます。

ダンスとしては、サルサ同様ペアで踊るのが基本ですが、サルサでは4拍子の3拍を使いステップ(つまり1拍を余らせる)するという多少の慣れが必要なかわりに、メレンゲでは2拍、バチャータでは4拍と全ての音を使いステップするので比較的簡単に踊ることが出来ます。
(この辺りは言葉で解説するよりも実際に動いた方がわかりやすいです)

そしてこれらもサルサ同様時代により地域により絶えず変化をして融合していっています。解り易いところでは、メレンゲかと思い踊っていたらいつの間にかサルサの曲調になったり、バチャータだと思っていたらメレンゲだったりとか。
毎年のように新しい風合いの音楽が生まれそれにあわせてダンスも変化をしているという、やはりラテン音楽の共通の要素があります。

5.メッセージとしてのサルサ・メレンゲ、ラテン音楽

ラテン音楽に限らずいえることなのかも知れませんが、その歌詞には様々なメッセージがあります。サルサでは恋愛について歌った歌詞は多いですがそれ以外でも、生活を歌った歌、弱者の歌など様々な歌詞があります。選挙の際のメッセージソングや、危ないところでは武器の作り方なんてものもある程です。ほとんどがスペイン語でなかなか歌詞までわからないのですが、クラブなどでビデオクリップを見たりすると意外に深刻な映像が明るい音楽に乗って映し出されたりして驚くことがあります。
様々な状況や思いを歌にして、ダンスで表現するというラテン人のあるいは人間として共通の欲求なのでしょうか。ダンスの練習の合間に歌詞を訳してみたり、ラテン文化を垣間見てみることもダンスをより深く楽しむきっかけになると思います。

6.ロス・サルセーロスの目指すサルサ

ロス・サルセーロスの目指すサルサは「ONLY ONEサルサ」です。これまで見てきたように場所や時代により様々に変化し進化しているサルサ。それは生徒さん個人も同様で、それぞれがユニークな存在であるという考え方が基本にあります。

同じ時に同じレッスンでスタートしても、自然に皆さんの個性が出てきます。それぞれの個性がより光るようなダンスが出来るようになって欲しいと考えています。そして私達はレッスンを通してそのお手伝いをしていきます。

サルサはこれからもいろいろな要素を取り込みそして世界的にも広がっていく音楽でありダンスです。私達はサルサのそんな自由性とユニークさを大切にしたいと考えます。
サルサを楽しむことで皆さんがよりユニークに自分を表現し、お互いを受け入れ、仲良く楽しく踊っていくことを目指します。

サルサにはいろいろなスタイルがありますが、そんな中で自分のスタイルがあっていいと考えます。レッスンの中で、パフォーマンスの練習をしながら、そしてクラブやプライベートでリラックスして踊りながら、自分のスタイルを作り出すことはサルサを踊る最高の楽しみの一つです。
個々を磨いて、個々の最高のスタイルが集まって素晴らしいものができるのだと考えます。

私達と一緒に自分を磨きながらサルサを楽しんでいきましょう!